2012-01

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天心逝いて九十九年・秘恋の肖像  2011年4・5月号

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平成23年3月11日、14時46分頃、三陸海岸沖を震源とした近代最大のM9という大地震が起きた。
6メートルの津波は五浦海岸の六角堂を襲い去り、旧邸の天心の横顔と”亜細亜は一つなり”
と彫られた詞碑近くまで上がったと報じられた。六角堂は東京美術学校長をした
岡倉天心(覚三・1869〜1913)の創設になる日本美術院が、五浦に移る前の明治38年夏に
造った天心の瞑想の場であった。石碑造作中のある日、この辺で一枚の古写真が偶然見つかり、
N氏が”天心逝いて40年・秘恋の肖像・五ッ浦旧跡で発見”という一文をのこしたことがあった。
「・・嘗て五浦に遊んだ時、一人の石工が天心の碑「亜細亜は一つなり」を刻んていた。ふと足元を
見ると、一枚の写真があり、何気なく見ると、それにTOOKAKURAKAKUZOと
サインがしてあったので不審に思って石工に出所を尋ねると天心の別荘からだという。
写真の人物”ルント”という姓は、北欧系によくあるもので、日本流に”岡倉覚三へ ルント”
の宛名があることから推して、浅からぬ間柄であったとみてよいだろう。1940の西暦は、清見陸郎の
初期の天心伝をみると天心のボストン美術館時代に美貌の令嬢を伴ったノルウェーの国会議長が
彼と親交があったので、おそらく、この写真の令嬢ではあるまいか!・・・」というものであった。
N氏は中柴光泰氏である。

磐城三十三観音第二十一番札所 日吉観音 2011年3月号

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「日吉とて 旅立つ道の 今が世や
    なにとてこれに 障りあるべき」

 永正元年(1504)欣蓮社良春上人開山になる専称寺末の浄土宗大運寺への急な坂を登り本堂に向かってすぐ左に観音堂がある、右には枝垂れ桜の古木がある。太い幹には空洞ができ樹医によって樹脂が詰められ、手当ての傷跡が痛々しい。本尊は木造の千手観世音菩薩立像(約0.8m)である。観音堂は、昔は日吉堂といわれ、宇高室の観音山にあったが、何時しかこの地に移されたと伝えられている。宝暦7年(1757)には大運寺が別当であったというが、詳しくは定かではないと古老はいう。この地の大室はその昔、鎌田村の技郷であったころ、地形が「窖」(あなぐら)に似ているところから付けられてものだといわれ、窖と室が同義であることから大窖が大室になったものと思われる。古文書によれば、この地を統括した岩崎三郎隆久の三男鯨岡源左衛門基忠が延元2年(1337)羽黒権現と松崎稲荷の両社を大室村に勸請して以来、姓を松崎と称して両者の祠官(神官)を世襲したといおうが、松崎氏は氏神である日吉山王権現(大山咋神)をも祀っていたのは当然であろう。日吉(日枝)権現とは、最澄が延暦寺を開いたとき(788)比叡(日枝)鎮主の東宮地主神である大山咋神であり、その神を松崎氏の遠祖岩城則道が氏神として、永承4年(1049)に当地に勸請祭祀していることからみても「日吉社」の存在は十分に考えられるのである。 

 日吉の社へ千手観音を祀ることに、なにとて障りあるべきぞ。

泉消防組の腕用喞筒 2011年 2月号

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泉消防組の腕用喞筒
(小名浜・小名浜消防署)

 小名浜消防署玄関前に旧泉村で買入れた腕用喞筒と言われた明治時代の消火用手押しポンプ車が展示されている。その案内によると、明治41年に東京神田区鍋町で製作され、同年泉消防組一部(八木屋)に配置されていたものだという。ポンプ水槽の両側面に「泉村警防團 第一分團」。後部に「明治四拾一年(1908)新調。昭和15年・平成17年塗替」とある。当時、泉村の消防組織は組頭一名、小頭10名の一組4部制で、組頭以下組員数175人で編成されていた。活動の場は、村内は勿論、小名浜、渡辺村、植田村及び周辺であったが、装備は喞筒(手押しポンプ)6台、纏(まとい)2、梯子9、水桶71、鳶口58、刺又3の器具であった。明治42年(1909)2月、湯本村裏町地内に炬燵の不始末から住宅70戸を焼失させる火災が発生した。
この新調したばかりの新型ポンプもガタガタ道を渡辺、湯長谷村と走り通して湯本に出張、消火活動に就いたが、鎮火の声と共に流石の組員達も疲労困憊で全員がダウン。帰路はポンプ車と共に湯本駅から泉駅まで汽車に乗って帰って来たこともあったという。地元はもとより小名浜は古湊の20軒全焼の大火など近隣にも出動し、幾多の活動をしてきた強者がここに展示されている腕用喞筒であり、当市にはこの形のポンプ車が他に3台あるという。

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