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俳僧 一具庵一具と専称寺 2010年7月号

    七夕や小石ひろひに七所川   一具「犠徳山本覚寺寓中 須弥蒼海のいつくしみに何をか営まん。素より抖摟(僧)の身にしあらば、供養するにものなし。なくなく一字一石の妙典を書写して、即証正覚をいのるのみ」と詞書きがあるこの句は、元亀4年(1573)に創建された、現山形県村山市楯岡の儀徳山本覚寺と称す村山地方の巨刹の僧侶であった一具庵一具のものである。この俳僧一具(1781~1853)は、特に東北地方を...

小姓騒動  2010年6月号

 磐城平藩内藤家に「小姓騒動」といわれる騒動があった。三大城主内藤善概(1619~1685)は義泰、俳号は風虎とも称した奥州俳諧の祖ともされる文人でもあった。延宝8年(1680)2月2日、家老の松賀族之助と上田内記宛に5名(井家九八朗21歳、山口岡之助19歳、大胡勝之進19歳、篠崎友之助18歳、山本金之丞17歳)の小姓の連名で退職願が提出された。家中に山井八右衛門という小姓頭がいたが、その小姓頭の配下では奉公できないからお...

長宗寺のタラヨウ樹 2010年5月号

 鶴栖山宝善院長宗寺は文安元年(1444)、良貞和尚によって開山され、享保19年(1734)年に元勝和尚が再興したよいう真言宗智山派の古刹で本尊は阿弥陀如来。光背には、「文化7年(1810)無量寿如来 仏師長孫八幡別当明照院秀諺」の銘があるということからして、江戸中期の長孫における本地垂迹と仏師の存在を知ることができよう。また、百八地蔵の第96番札所でもある。境内には市指定天然樹木のタラヨウという、樹齢約350年と...

楞厳寺と桜  2010年4月号

 曹洞宗紫金山楞厳寺は、当地領主であった上遠野氏が開基し、徳川三代将軍家光代に御朱印十石の萬松山上遠寺の第二世極富寿鎮(大永二年 一五二二 入寂)が開山した禅寺で、初めは当地の寺作に建立したが焼失したため、第十一世大雄林峰が現在地に中興再建したという。開山した寿鎮は、楠正成の後裔であるので寺紋は「菊水」である。楞厳寺に伝わる大雄宝殿(仏殿)の由来によると、往古、八幡太郎義家が安倍貞任討伐に下向中、...

磐城三十三観音第十九番札所下大越観音 2010年3月号

面白や たずねきてみよ 光厳寺くれなゐ(紅)梅に ますがたの池 門前の塀に並ぶ十六羅漢に護られた別当の大乗峯山安祥院光厳寺は、弘仁八年(八七一)に豪海法印によって開山された真言宗智山派の古刹である。白山信仰の盛衰と共に山号も白山から大乗峯山、寺号も光厳寺から安祥院へと何時しか通称されるようになったのであろう。磐城八薬師の第一番札所の別当でもある寺の本尊は、行基菩薩作と伝えられている金剛界大日如来で...