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龍の徳利と蟹の酒杯 2009年7月

 蓮の露を見て、 よめる
 はちのす歯のにごりに染まぬ心もて
 なにかはつゆを珠とあざむく            僧正遍昭

 真言宗智山派の宝徳院は、宝徳三年(1451年)に開山されたその年号を寺号にした古拙である。寺院には、「龍の徳利と蟹の酒杯」が物語と共に伝わっている。徳利は、金糸の長いひげが付いていたという飛龍。酒杯は一匹の蟹を蓮葉で包み、底部から吸い口が出ているストロー付きの盃なのである。口伝を要約すれば「ある正月、この酒器で、檀家が集まって新年会をしていた。蟹の盃が、ある村人のところに回ってきた。当人が飲もうとしたら蟹がその人の舌を鋏で切り取ったという」。この話は、人が持って生まれた煩悩の十悪を犯せば、蟹が鋏で一撃するぞと戒めた説教であろう。仏教と蓮華の葉を盃にしたのだろうか。天平の香がまだ残る頃の昔に遡ると、蓮華は花でなく、葉を愛でる宴が宮中で催されていたのである。蓮華が玉杯であったのだろう。蓮華の葉に直接口を付けて神酒を吸ったものと思われる。この南都仏教文化を磐城に伝えたのは、もしかして徳一菩薩だったのではあるまいか。遍昭(816?~890)は六歌仙の一人。桓武天皇の孫。
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