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長宗寺のタラヨウ樹 2010年5月号

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 鶴栖山宝善院長宗寺は文安元年(1444)、良貞和尚によって開山され、享保19年(1734)年に元勝和尚が再興したよいう真言宗智山派の古刹で本尊は阿弥陀如来。光背には、「文化7年(1810)無量寿如来 仏師長孫八幡別当明照院秀諺」の銘があるということからして、江戸中期の長孫における本地垂迹と仏師の存在を知ることができよう。また、百八地蔵の第96番札所でもある。境内には市指定天然樹木のタラヨウという、樹齢約350年と伝えられる幹囲2・3メートル、樹高19.3メートルの静岡県が自生北限とされるモチノキ科の広葉樹がある。タラヨウは貝多羅葉・貝多羅・多羅・多羅葉などとも書かれ、古代インドでは文字を書く際にやし科の多羅樹の葉が使われたとみて、近年アフガニスタンから、紀元後1・2世紀と推定されるクシャーナの文字で葉に書写された「八千頌般若経」の断片や多くの経典が発見され注目を集めている。このように書写された初期の仏教経典が、中国へ渡来した際にサンスクリット語のタラヨウ樹が音写意訳され、貝多羅・多羅となったものだろうといわれている。又、ジャワ島では中世に栄えたマジャパイト王国の詳細が、この葉に刻まれた写本の発見によって解明されたと言う。長宗寺のタラヨウ樹の存在も「紙」の発明以後も実用化されるまでの長い間、寺子屋での学習、意思の伝達などにタラヨウの葉が用いられていたという証であろう。
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